4−2 卸売市場の営業力の強化
本市場の活性化を図るには、商品の集荷・販売を拡大し、売買取引を活発化することが不可欠であるため、これまでの受身から攻めへと、アクティブな姿勢で集荷先、販路の開拓を図る必要がある。
そのため、卸売業者及び仲卸業者は新商品の開発や新規需要の開拓等、産地や販売先への提案機能の強化を図り、積極的に営業に出向くことや、様々な広告媒体を活用することなど営業力を強化し、消費者ニーズに対応した戦略的なマーケティングに取り組むことが肝要である。
また、魅力ある商品の開発や地産地消を一層推進するなど、様々な視点から他市場に優る取組を検討するとともに、他市場との連携を保ちながら、規制緩和された取引を活用し、品揃えの確保に努める。また、災害時においても生鮮食料品の安定供給が図れることも視野に入れておく必要がある。
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卸売業者及び仲卸業者の連携
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- 青果部・水産物部それぞれに買出人・生産者等と連携し、営業力強化に向けた(仮称)「営業戦略委員会」と各部の連携会議を早期に設置し、集荷・販売の拡大、特色づくり、共同事業等の企画・実践に取り組む。
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- 経営コンサルタントや中小企業診断士等、外部から専門家を招くなど、積極的に人材育成や経営改善に取り組む。
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- 産地情報や買出人・消費者のニーズの収集を強化し、情報の共有に取り組む。
※ 営業戦略委員会の設置については、市場の活性化を図る最重要課題として取り組む必要がある。事業者が主体となり、関係者と連携して、実効ある戦略的な取組を早急に検討、実施されたい。
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多様な取引及び市場間連携等の推進
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- 市場内取引を基本としつつ、一方で、第三者販売や直荷引き、電子商取引やインターネット販売など、多様な取引方法を通して、新たな集荷・販売先を開拓する。
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- 市場の取扱商品を仕入れることができる会員(団体、グループ、事業者等)制度や市場のファンクラブを検討し、販売促進につなげる。
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- ひょうご卸売市場協働ネットワーク推進協議会が取り組む協働集荷事業への参加品目を拡大するとともに、ブランド商品や特長ある商品等を取り扱う他市場の卸売業者等との広域的な連携に取り組む。
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地産地消の推進
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- 市内及び周辺生産者に対する出荷要請を強化するとともに、近郷野菜を切り口にした販路の掘り起こしに取り組む。
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- 市場を経由して学校給食に地元の新鮮な食材を提供できる仕組みづくりを検討するとともに、学校関係機関への積極的な働きかけを行う。
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- 近郷野菜の集荷の安定と近郊農業の振興に寄与するために、集荷方法・体制や取引方法・価格について、取引検討会議を設置し、(仮称)「営業戦略委員会」とも連携のうえ、必要に応じた見直しを図る。
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- 兵庫県認証食品など、県内農水産物の集荷・販売の拡大と特色のPRに取り組む。
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新たな広報媒体による市場PRの推進
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- 市場のシンボルマークに加え、マスコットキャラクターやキャッチフレーズなど新たなPR媒体を小売商業店舗等とも連携して活用し、魅力ある商品の集荷・販売につなげる。
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- 産地の特産品や季節・旬の商品などについて、マスメディアをはじめ、様々な広報手段を活用しPRに取り組む。
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施設の利用促進
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- 市場の活気の回復と市場関係事業者の競争力の強化を図るため、空き店舗の積極的かつ継続的な公募を進める。
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- 駐車場の利用を促進するため、市場関係事業者の組合組織による借上げ等を検討する。